サントリー社長の「45歳定年制」についての、議論の記事を良く見かけます。
そもそも、「定年」と言う言葉は、終身雇用の時代を引きずっていて、
年金制度との連動はあれ、定年の年齢含めて、
これまで、社員は、キャリアについて、会社が決めたことに従ってきました。
その代わり、会社は、個々のライフステージに合わせた処遇体型となり、
全体のモチベーションを保つために、年功序列の仕組みが、
全体最適だったのだと思います。
こういう環境で育ってきた方が、「45歳定年制」の話を聞くと、
・子供が一番お金がかかると時に、経営者の都合だ
・そんな会社に入る若者が可哀想だ
的な話になるのは、当然だと思います。
ただ、ビジネスのスピードが、以前とは比較にならない速さの中で、
人材育成しながら、ビジネス課題を解決していくというのは難しくなってきました。
業界にもよりますが、IT・ゲームなどでは、事業責任者に、人事等の権限も集約させるなど、
組織構造でもスピードアップを図っています。
スピード・早い段階での成果を求めれば、即戦力・プロが必要になります。
長期雇用を考えれば、年齢の要素は重要と言えますが、
ビジネスの1ターンとして、数年間の雇用と企業が考えるのであれば、
年齢の要素は、重要なものではありません。
年齢ではなく、プロとしての腕があれば、生きていける時代になります。
いまは、「終身雇用のなごり」と「プロとしてのキャリア」という点では、
過渡期にあり、世代によっても、着眼ポイントが大きく異なります。
だからこそ、転職先の選択についても、業種・成長性といったことのみで、
決められるものではありません。
今後、“終身雇用をあたり前にしていない世代“が、経営者となってきます。
そのときに、はじめて、この過渡期は、一旦終わるのだと思います。
上記にあわせて、教育、ダイバーシティ、副業などの推進等により、
向こう10年程度で、雇用環境が大きく変化します。
プロとしてのスキル・覚悟があれば、何歳でも働ける時代になるのは、
良いことだと思います。
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